今回はTAMAから発売されている、そうる透さんプロデュースモデルのスネア、NSS1455を解説していきたいと思います。
他のページでは知ることができない、アシスタントならではの裏情報も交えて情報を発信していきます!
「どのスネアよりもダントツで安いけど、音とか大丈夫なの…?」
そんな疑問を持たれる方が多いと思いますが、このブログではそうる透さんの想いや、このスネア誕生の秘話をお話ししていこうと思います。
とはいえ、実は現在そうる透さんが使用しているスネアは、STARPHONICシリーズのPNS146Eを一部改造したものです。
このPNS146Eは、限定70台のみの販売だったため、現在手に入れるのはとても難しいと思います。
なので今回は、皆さんが手に入りやすいNSS1455で解説していきます!
そうる透さんプロデュース「NSS1455」をアシスタントが解説!:安さの理由
誰しもが驚くこのスネアの価格。
店頭では2万円台で販売されているのがほとんどではないでしょうか。
学生もお年玉で購入できる価格だと思いますし、学校の部活やライブハウスや個人でも購入をしている方も多いのではないでしょうか。
一方で安すぎると「なんでこんなに安いんだろう…」といった疑問が生まれ「大丈夫なのかな…」と心配される方も多いと思います。
私たちアシスタントが知っている安さの秘密を公開していきたいと思います。
×シグネチャー/○プロデュース
安さの理由は、シグネチャーではなくプロデュースだというところにあります。
どういうことかというと、シグネチャースネアの場合は、その楽器が売れたらミュージシャン本人にもバックマージンが入る場合がほとんどです。
しかしこれはあくまでもそうる透さんがプロデュースされたスネアなので、実はどれだけ売りあがってもそうる透さんにはお金が入りません。
そうる透さんは、自分がお金儲けのための行いよりも、あることを願っていました。それが…
若い人の手に渡ってほしい
そうる透さんはこのようなことを言っていました。
吹奏楽の子もそうだし、特に若い子に安い価格で扱いやすいスネアを買ってほしい。
このスネアでいろんなチューニングを試したりして、たくさん勉強をしてほしい。
そんな思いから、価格を抑えたモデルをTAMAから販売したという経緯があります。
とにかく若い人向けに、妥協の無いスネアを作りたかったという想いが伝わります。
そうる透さんプロデュース「NSS1455」をアシスタントが解説!:シリコンエッジについて
元々このNSS1455という名前は「Nash Soul Snare 14×5.5」の略になっています。
Nashという聞きなれない単語が出てきたと思いますので、こちらも合わせて解説していきたいと思います!
ドラムのスペシャリスト会社、NASHとの共同開発
NASHは、川崎市に存在しているドラムのスペシャリストの会社です。 (現在はall in oneという会社と合併し、NASHはドラム部門となっております。)
最近ではNASHの伊藤さんという方がriddimを作られていたり、ドラムテックとして有名な村上敦宏さんも務められておりました。
さてこのNASHとそうる透さんの付き合いはもう何十年にもなりますでしょうか。長くにわたりそうる透さんとドラムを研究開発されています。
長年のドラムプレイヤーであるそうる透さんと、ドラムのスペシャリストであるNASHの共同開発は、日本のドラム界における伝説的なものだと思います。
NSS1455は間違いなく他に類を見ないスネアです。
初心者でも扱いやすいスネアの定義、若い人でもいい音が出せる方法は何だろうか。
とにかくどんな人でも扱いやすいスネアを開発するということを中心に、時にはスネアを断面で切ったりしたと聞きました。
そんな中で生まれたのがNSS1455であり、業界でしか語られない歴史となっています。
シリコンエッジがあることで生まれるサウンド
このスネアの一番の特徴がシリコンエッジですが、どのような効果が得られるのでしょうか。
私が特に感じたことが、スチール特有の耳に刺さるような高音とアタックが、このシリコンエッジによって丸みのあるサウンドになります。
そのため、音量が大きくなっても他のプレイヤーの邪魔をしないサウンドです。
丸みを帯びたせいで音が埋もれてしまうということはなく、リリースは長くて太いため安定したサウンドになっています。
そうる透さんプロデュース「NSS1455」をアシスタントが解説!:そうる透さんのチューニング
では実際にそうる透さんが、NSS1455をどのようなチューニング・セッティングで使用しているのかを解説していきたいと思います。
打面側のチューニング・裏面側のチューニング・スナッピーのセッティングについて解説していきたいと思います。
打面側のチューニング
打面側のチューニングが、とにかくハイピッチです。
そうる透さんは基本的に全くミュートをしません。
もちろんショットが美しいのは大前提ではありますが、このハイピッチがサスティーンをこのロールしているのだなと思います。
どのくらいハイピッチかというと、ワッシャーがつぶれて外れてしまうくらいハイピッチです。
このスネアを購入された方は、是非そうる透さんと同じくハイピッチでチューニングをしてみてほしいです。
ただ、ハイピッチにしたばかりでは当然ヘッドは伸びてませんので、パキパキな音になってしまいます。
そうる透さんは、ヘッドに体重をかけて伸ばしたりせず、スネアで叩いて伸ばしています。
2,3曲叩けば馴染んできますので、是非お試しください。
※今は体重をかけて伸ばしていることが多いそうです。
裏面側のチューニング
裏面側のチューニングですが、私たちが見る限りでは打面側のヘッドがかなりハイピッチですが、裏面のスネアサイドもピッチが高いかなと思いました。
通常、一般的なスネアでこのチューニングをすると耳に刺さる帯域が出てしまう印象です。
このNSS1455ではそのチューニングを実現しても、シリコンエッジの影響で耳に刺さる帯域が目立たなくなります。
このチューニングで、そうる透さんは太い音域の音を持続しつつ、楽器自らがリリースカットしてくれるサウンドを実現したのだと思います。
スネアサイドはハイピッチにすると破れてしまう恐れがあるため、高めのピッチになったらOKです。
スナッピーのセッティング
スナッピーのセッティングを説明するのは少し難しいのですが、現在使用しているスナッピーは、スネアに標準でついている20本のスナッピーを使っています。
スナッピーを止めるのは、ヒモかテープかが存在しますが、現在そうる透さんはテープを使っております。
是非参考にしてみてください。
そうる透さんプロデュース「NSS1455」をアシスタントが解説!:おまけ情報
次に、そうる透さんがこのスネアを使うにあたって、使っているオプション類を紹介させていただこうと思います。
ヘッドはコーテッドエンペラー
購入時、標準で付属しているのはコーテッドアンバサダーになると思いますが、そうる透さんはコーテッドエンペラーを使っています。
アンバサダーはスタンダードな薄さですが、エンペラーはそれよりも厚いヘッドです。
やはり太い音を出すためには厚いヘッドが最適だと言っていましたが、その分エンペラーの方が寿命が短い気がするそうです。
コストはかかりますが、常に太いいい音を出したいのなら、エンペラーをオススメします。
チューニングゆるみ防止
実はそうる透さんのスネアは、リムショットをしているとチューニングが落ちてきやすいです。
そのためTAMAから出ているTENSION LOCK TTL10を使用しています。
ミュート
マイクをあまり立てないタイプのライブハウスでは、周りの楽器の音と音量を合わせるためにミュートを使っています。
クリップと楽器クロスを切ったものを使っていますので、こちらも是非参考にしてみてください。
そうる透さんプロデュース「NSS1455」をアシスタントが解説!:まとめ
というわけでは今回はそうる透さんプロデュース「NSS1455」を解説させていただきました!
当然ですが、どこのサイトにも書かれていないNSS1455の誕生の秘話だったり、そうる透さんが実際に使っている様子や使い方を解説させていただきました。
是非参考にしてみてください。